プロのWebデザイナーに求められる7つのスキルと心構え

“作れる”だけじゃ足りない、ちゃんと伝わる「プロ」の力

プロって何が違うの?

「え、Webサイトなんて、今どきテンプレでサクッと作れるでしょ?」

――なんて声、耳にしたことはありませんか?

実際、最近ではノーコードツールや生成AIの登場で、誰でも「それっぽいサイト」を作れる時代になりました。けれど、“作れる”と“伝わる”は別物。見た目だけじゃなく、中身や設計がしっかりしていて、ちゃんとお客様の想いが届くサイトこそ「プロの仕事」です。

今回は、そんな「プロのWebデザイナー」に必要なスキルと心構えを、7つにまとめてご紹介します。

1. ヒアリング力と要件定義の理解

🗣️「えっと、なんとなくオシャレにしたいんですけど……」

お客様がこう言ったとき、「オシャレですね!」とだけ返していてはプロとは言えません。

プロは、お客様の言葉にならない想いを汲み取る力が必要です。
「誰に」「何を」「どうやって」届けたいのか。見えない部分を可視化して、具体的な要件に落とし込む。それができてはじめて、デザインも設計も活きてきます。

2. デザインの基礎力(配色・タイポグラフィ・レイアウト)

🎨「センス」ではなく「知識とロジック」

色のバランスが悪い、文字が読みにくい、余白がごちゃごちゃ……
そういった見えにくい「違和感」を解消するのがプロの仕事。

プロは感覚に頼らず、理論と経験に基づいて「整ったデザイン」を組み立てます。流行を取り入れることより、「情報がちゃんと伝わること」を最優先に。

3. UX / UIの視点

👀 ユーザーは「迷子」になっていませんか?

「このボタン、どこにあるの?」「戻るにはどうしたらいいの?」

そんな風にユーザーを混乱させてしまうのは、UI設計の不備。プロは、ユーザーの視点に立って動線を設計し、直感的に使える画面を作ります。

デザインは、アートではなくサービス。自己表現より、ユーザー体験が優先されるべきです。

4. HTML / CSS / JavaScriptの基礎知識

🛠️「コードは分からないけど作れます」は通じません

WixやWordPressでなんとなく見た目を整えても、裏で何が起きているか理解していなければ、後で崩れたり不具合が起きたときに対応できません

プロは、最低限のマークアップとスタイルの知識を持ち、意図した通りに動くものを自分で作れる力を持っています。

5. WordPressやCMSの扱い方

🧩 表面だけじゃなく、裏側も理解している

カスタム投稿、テーマの構造、プラグインの相性、バックアップの取り方…。
CMSで運用されるWebサイトでは、デザインだけでなくシステム面の知識も不可欠です。

「デザイン案はWP上で構築してスクショします」なんてのは、非効率の極みです。完全にお任せ!系なら、それが「効率が良い」ケースもありますが、お客様が「そのデザインはちょっと……」と言ったり「3パターン出して」となった時にどうするか、考えてみましょう。

プロは「無駄を最小限に、効率的に仕事を進められる」設計をします。

6. コミュニケーションと説明力

🧑‍🏫「それ、専門用語で言われても分からないんですが…」

プロは、難しいことをやさしく伝える力を持っています。

「サーバーがキャッシュを吐いていて…」などと一方的に言うのではなく、相手の理解度に合わせた言葉選びができるのも、信頼されるプロの条件です。

7. スケジュール管理と責任感

⏰「納期、ちょっと遅れます…」は言い訳になりません

プロは「自己管理」ができて初めて一人前。
「寝てたので連絡が遅れました」なんて発言、もはや論外です。

お金をいただいて仕事をする以上、納期と品質を守るのは最低限のマナー。トラブルが起きたときに、どうリカバリするかも含めて「プロの責任」です。

+α:あると強いスキル

  • SEOやアクセス解析などのマーケティング知識
  • Photoshop、Illustratorなどのビジュアルツールスキル
  • Gitなどのバージョン管理
  • アクセシビリティやWeb標準への理解

プロとは「相手のために働ける人」

プロのWebデザイナーとは、「かっこいいサイトを作れる人」ではなく、「お客様の目的を理解し、成果につなげられる人」です。

ご自身の引き出しを増やしながら、相手の声を丁寧に聴き、丁寧に形にする。
そして何より、「自分の作ったものに責任を持てること」が、プロとして一番大切な資質かもしれません。