プロのWebデザイナーって、どこが違うの?

〜「タダで作れるのに高いのはなぜ?」の答え〜

Web制作をしていると、たまにこんな言葉をかけられることがあります。

「えっ、この金額?Wixなら無料で作れるよ?」
「クラウドワークスに出したら、もっと安くやってくれる人いたよ?」

……うっ。
いやもう、グサッとくるんです、ほんとに(笑)。

でも、これは決して悪気があるわけではなくて、「プロの仕事」と「なんとなく作れる人」の違いが、あまり知られていないというだけのことなのだと思います。

今回は、そんなお話をきっかけに、“プロのWebデザイナーって何が違うの?”というテーマについて、お伝えしてみたいと思います。

「作れる」ことと「伝わる」ことは別物です

最近は、テンプレートを使えば誰でも簡単にWebサイトが作れる時代です。WordPressも、ノーコードツールも、便利なものがたくさんあります。

でも、「とりあえず作れる」=「効果のあるWebサイトが作れる」ではないのです。

Webサイトは、お客様の商品やサービス、想いを伝える“お仕事道具”です。自分の好きなように作る「作品」ではなく、「目的を持ったツール」
ここを勘違いしてしまうと、どれだけきれいな見た目でも“ただの飾り”になってしまいます。

プロは「聞くこと」から始める

プロのWebデザイナーが一番大切にしていること。
それは、「お客様の話をよく聞くこと」です。

  • どんな人に向けたサイトなのか?
  • 何を伝えたいのか?
  • お客様自身も気づいていない課題はどこにあるのか?

そういったことを丁寧にヒアリングして、言語化されていない要望までも形にする
ここに、プロならではの視点と経験が活きてきます。

ツールが使える ≠ プロではない

「PhotoshopやIllustratorが使える」「WordPressがいじれる」──確かに、それは素晴らしいスキルです。
でも、それだけでプロを名乗れるわけではありません。

プロは、「成果につながる方法を、最適なツールで、最適な手順で選び取る力」があります。

たとえば、「IllustratorやXdがないからWordPress上でページを組んでスクショでデザイン案を出す」といったやり方。工夫してるように見えて、実は時間も二度手間、クライアントにも分かりづらいという、誰にとってもツラい構成になりがちです。

道具がない中で頑張る姿勢は素晴らしい。でも、「効率よく、相手のために作る」視点が抜けていると、それは自己満足になってしまいます。

プロとアマの一番の違いは、「自分目線」か「相手目線」か

プロのWebデザイナーは、何よりも“相手のために作る”ことを第一に考えます

それはデザインだけでなく、納品の仕方、修正対応、運用のしやすさにも現れます。
自分の好きな色や配置を押しつけるのではなく、お客様の目的を達成するために、自分の引き出しを最大限使って応える

逆に言えば、「自分の思うかっこいいサイト」を作ることが目的なら、それは“趣味”や“アート”の領域であって、商業デザインではありません

「料金=時間」じゃありません。「料金=信頼と経験」です

よく「1日で作れるものに、なんで数十万円もかかるの?」と聞かれることもあります。
(1日で作れる、というのは極端な例ですが……^^;)
でも、こう考えてみてください。

1日で作れるようになるまでに、10年かかっているのです。

プロの仕事には、数え切れない実践経験、失敗、成功、そして日々の学びが詰まっています。
料金は、その知識とノウハウへの信頼料でもあるのです。

おわりに:プロを名乗るなら、まず「誰のための仕事か」を考えよう

Web制作は、誰でも手を出せる分野だからこそ、「プロと名乗る責任」が問われる仕事でもあります。

もしこれからWeb制作を始めようとしている方がこの記事を読んでいるなら、ぜひ思い出してほしいのはこの一言です。

Webサイトは“作品”じゃなく、“誰かの課題を解決するツール”です。

そして、もし「なんでそんなに高いの?」と言われたときは、にっこり笑ってこう返しましょう。

「安心して任せてもらえる分、責任も背負ってますからね」と。